Root Bib Shorts

履いている事を忘れるショーツ

ストレスを感じずにペダリングが出来ること。どんなポジションでもパッドが体にフィットし機能すること。この2点こそがサイクリングショーツの基本性能で、ライダーが専用のショーツを履く理由と言っても過言ではないでしょう。長年ウエア作りに携わってきた私たちですが、INEIVEにとって最初のショーツをラインナップするにあたって、この基本性能の基準を見直す事は意味のある事でした。というのも「ストレスがない」とか「フィットしている」などの感覚的な性能の追求はゴールの無い旅のようなもの。ネクストレベルの基本性能を得るために、私たちは従来のやり方に問題がないか一つ一つ確認しながら進んで行く必要に迫られました。目指したのは「履いている事を忘れるショーツ」。ベーシックだけれども基本を追求した最高のショーツ作りはこうして始まりました。

少ないパネル構成

ペダリングの脚の上下運動に伴ってショーツの前側では腿の付け根で大きく皺が入ります。「ここに縫製ラインを配置したくない」。スムーズなペダリングを可能にするショーツの実現に向けて、私達はまずそう考えました。パターンの検証を進めると大腿部を1枚の生地で覆うような形状が最適であるとの結論に至りました。最初に出来上がってきた試作品は完成度の高いものに見えました。しかしながらバイクに跨ってみると満足な仕上がりとは言えません。その後、各部にかかる生地のテンションを見ながらパターンの微調整を幾度と繰り返しました。ショーツは当初のアイデアをキープしながら徐々に乗車ポジションに最適化された形状となっていきました。

辿り着いたのはシンプルな形状でした。その見た目から、Root Bib Shortsはスタイルを重視したパンツに見えるかもしれません。しかし実はペダリングを阻害する縫製が関節上に存在せず、乗車ポジションで空気抵抗となる皺が発生しにくい形状を追求した結果のミニマルなデザインなのです。

軽量でドライな質感の生地

ショーツに用いる生地は、ペダリングに合わせて体に追従する伸縮性が必要なのはもちろん、コンプレッション性や、それと相反するように求められるしなやかさや軽量性も欠かせません。Root Bib Shortsに採用された生地も様々なバランスを考慮しながら、世界中のテキスタイルメーカーから取り寄せた数十種類にものぼるラインナップの中から選ばれました。イタリア製のその生地はドライな質感と少し強めのコンプレッション性が特徴。軽さと通気性にも配慮し、通常よりも僅かに薄手の生地を選択しています。

やっぱりカットオフがノーストレス

ペダリング時のずり上がりを防ぐために、ショーツの裾は腿とグリップする必要があります。多くのサイクリングショーツでは滑り止めが縫製によって付け加えられていますが、縫製箇所が腿周りのストレスとなることも多くベストな選択とは言えません。Root Bib Shortsではストレスが圧倒的に少ないカットオフ（切りっぱなし）仕上げを実現すべく、生地の生産地と同じイタリアで、腿に触れる部分に滑り止め加工を行いました。これによって「腿周りだけが窮屈」といった事の少ない、フィット感のバランスに優れたショーツとなりました。

パッドとその密着性

どんなポジションでもパッドが体にフィットし機能すること。つまりシッティングではサドル上で衝撃吸収の最適位置に収まり、ダンシングでは浮かせた体にしっかりと追従する。これらを実現するにはパッドを如何に最適な位置で体に密着させられるかを考える必要がありました。Root Bib Shortsではパネル形状を考察する際に股間のフィット感が高いレベルで求められましたが、他にも肩紐に反発力が強い素材を採用し、その接合方法についても様々なアイデアを検証。更にはパッドの取り付け方や手順までもが従来のやり方の見直しの対象となるなど、多岐に渡ってテストが繰り返されました。アイコニックな黒いバックパネルもパッドを引き上げる為に縦伸びを抑制する生地を採用した結果のデザイン。機能性から導かれたINEIVEらしいデザインとなりました。

男性用パッド

ペダリングの妨げにならないパッド形状も重要です。取り付けられたパッドは、適切に配置された高密度クッションによって長時間の乗車に対応。フラットな表面は快適性を、コンパクトな形状は動きやすさをもたらし、積極的なスポーツライディングに調和したものになっています。

女性用パッド

女性用パッドを装備したショーツもラインナップ。前方にもクッションを持つ、女性に合わせた専用設計のパッドとなります。パッドの最厚部は男女共に14mm。サドルの上で違和感が発生しない程度の厚みに抑えられていますが、内臓した高密度クッションによって衝撃吸収性が高められています。

男性用ショーツと女性用ショーツの違いはパッドのみで、ショーツ自体の形状は共通となります。

派手さは無いけど堅実なショーツ

バックパネルのパンチング加工

通気性の高い肩紐

腹部を圧迫しにくいパネル構成や、通気性を向上させる為のパンチング加工、メッシュ状の肩紐など、ショーツに求められる基本性能を押し上げるために積み重ねられたディテールの数々。縫製はすべて日本国内の工場で一着ずつ縫われています。ネイビーとグレーというカラー展開は「インディゴのジーンズ」や「グレーのウールパンツ」をヒントに、世代や人を選ばないベーシックなカラーを選択。Root Woven Jerseyと同じく、永く使えるオーセンティックなスタイルは、INEIVEが最初にリリースするウエアとして大切な要素でした。基本の追求に徹底したRoot Bib Shorts。派手さは無いものの、INEIVEの原点に相応しい堅実なアイテムへと仕上がりました。

Size S
性別：男性
身長：160cm
体重：51kg
ウエスト：75cm
ヒップ：85cm
股下：72cm

Size M
性別：男性
身長：173cm
体重：61kg
ウエスト：77cm
ヒップ：90cm
股下：78cm

• 洗濯の際はネットをご使用ください。ネットには単品で入れてください。
• 摩擦(特に湿った状態での摩擦)や水､雨､汗などで濡れた際、多少の色落ちや他の衣料に色が移ることがありますのでご注意ください。
• 表面の粗いもの(マジックファスナー等)との接触は生地を傷つける恐れがありますのでご注意ください。
• 機能性を重視した仕様の為､裁ち切り部分は着用や洗濯の繰り返しによりほつれる場合があります。